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大河ドラマ『麒麟がくる』

ボーカル参加楽曲リスト

・悠久の灯 feat. 堀澤 麻衣子  When It’s Gone feat. Maiko Horisawa
▼2/3先行配信スタート
https://sonymusicjapan.lnk.to/Kirin_HorisawaMaiko
・旅へ Journey
・美濃 ~母なる大地~ Peaceful Mino
・麒麟紀行 I feat. 堀澤 麻衣子 Kirin Kiko I feat. Maiko Horisawa
・思索 Thoughtful
・燐光 Soul of the Firefly
・曙光 Descended from the Sun
・美濃の里 (ヴォカリーズ Ver.) Mino, My Home (Vocalise Version)
・揺るぎのないもの IV~追憶~ Iron Willed Mitsuhide IV – Missing Family
・悠久の灯 (ヴォカリーズ Ver.) When It’s Gone (Vocalise Version)  

音楽担当:ジョン・グラム氏コメント

Maikoの歌声から私が感銘を受けた点が2つある。「楽曲と深く対話する力」と「繊細な表現力」である。Maikoの歌声を聴いたことがある方は、彼女が多様な声楽や歌唱法を習得し、高い精度と技術で多彩な表現ができることをご存知だと思うが、彼女は真っ直ぐに自分の感情に対して正直に歌う歌手である。個人的な考えではあるが、ビブラートなどの装飾歌唱技法は、歌の感情表現において妨げになる場合が多いと感じている。特に、感情的なメロディや歌詞であるほど、歌唱は技術的に装飾されることなく表現される方が望ましいと思われる。Maikoはそれを語らずとも理解し、作者の意図を精確に捉え、高い純度と繊細に表現を行う。Maikoが極めて高い「感情的知性」と「芸術的知性」を兼ね揃える歌手であることの表れだと感じている。

– John R Graham

プロフィール

バージニア州シャーロッツビル⽣まれ。英国のサリーにあ るチャーターハウス・スクールで歌とオーケストラ作曲を 学び、バンド活動を⾏う。⽶国のウィリアムズ⼤学とスタ ンフォード⼤学を卒業後、ワーナー・ブラザーズにて専属 オーケストレーターとして経験を積み、作曲家活動を開始。 ⾼度なオーケストレーションと独⾃の制作⼿法から紡ぎ出 す近代的なオーケストラサウンドはハリウッド⾳楽業界で も⾼く評価されている。代表作は『キングスグレイブ・ファイナルファンタジーXV』など。

STUDIO LIVE 動画一覧

美濃 〜母なる大地〜

美濃 〜母なる大地〜カルテットver.
 
 

悠久の灯 – When It’s Gone – 

Interview

堀澤麻衣子へのインタビュー

ー 1年続く⼤河ドラマの⾳楽で、複数の楽曲にボーカル参加されている率直な感想を聞かせてくだい。

2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」は、日本の歴史に造詣の深いハリウッド作曲家 ジョングラムによって音楽制作され、そのダイナミック溢れるハリウッドサウンドからイマジネーションを受け、先人たちの想いを歌で表現するという、貴重な体験をさせて頂きました。

レコーディングは2019年度の夏から始まり、通算で半年ほど、ロサンゼルスに滞在し、ジョングラムの自宅にも何度か伺いました。作曲する部屋には浮世絵が飾られ、根っからの日本好きでいらっしゃることや、お食事をご一緒するなど様々なコミュニケーションを通じて、ジョンの家族、お人柄に触れることができました。

ジョンは時代背景を深く知った上で、当時の武士や人々がどんな想いでいたのか、その心模様が伝わってくる曲を書かれ、聞けば私も魂が震え、ジョンが何を本質的に表現したいのか容易に受け取らせて頂くことができ、歌として表現することができました。

毎週大河ドラマを拝見しておりますが、そこに重なる歌を聞くたび、もし1年遅く、2020年にアメリカでレコーディングの予定であれば、渡米し交流しながらの作品作りは叶わなかった、と参加できたことを改めて感謝しています。またドラマの中で、シーンにに重なる歌を聞く時にドラマ制作現場を見学させていただいた時のことを思い出します。真摯に向かわれていらっしゃる出演者の皆様、スタッフの皆様の姿を思い出しながら毎週大河ドラマを拝見しております。

 

ー ジョン・グラムさんとは過去にもご⼀緒されていますが、今回特別に歌唱する上でどんなやりとりがありましたか?

ジョンは楽曲を作られる時、時代背景から、文化や人の感情を音楽に投影して作られる方だと私は感じていたため、細かな言葉のやりとりはあまり必要ありませんでした。すべてのイメージは楽曲の中に、楽器の音色として、メロディに、間に、と刻みこまれ、楽曲からそれらを感じさせてくださるので、その世界観を表現していくのに、歌手としては迷うことなく方向性に添った声色や歌い方のアイディアが浮かび、苦労はありませんでした。

また、大変ありがたかったのは、この楽曲自体が、一番美しく響く音域を選びながらも、「麻衣子の声のトーンや音域も把握したい」と、何度もわたしのアルバムを聞き、試行錯誤してくださったこと。こんなふうに歌手に向き合ってくださり、本当に有難い気持ちでいっぱいでした。

わたくしとしてできることは、ジョンの楽曲へのイメージを、汚さぬよう、また少しでもその想像を超えるものにしたいと思い、できるかぎりのことを取り組みました。『麒麟がくる』の台本を何度も読ませて頂き、放送が始まってからは、繰り返し放映を見ながら、主題として何を言わんとしているシーンであるかをドラマと楽曲から感じとり、その当時の武士や、街の人たちの想い、細かな心のひだを感じ取っていただけるよう、音色と歌い方に表現のすべてを注ぎ込みました。

音楽は、自分の心を鼓舞してくれるパワーをくれる楽曲がたくさんあると思います。わたしにとっては、今の時代を生き抜くために、自分を鼓舞してくれる音楽として、このメインテーマをよくプライベートでも聞いています。辛い時、立ち上がらなくてはいけない時、心が痛い時、そんな時でも、ジョン・グラムの曲は、時には強く、時には優しく背中を押してくれるからです。

そんな素晴らしい楽曲を生み出すジョンと今回もご一緒させていただけたことは本当に幸せです。今後もまた、いろんな曲を一緒に表現することができたら嬉しいです!

 

ー これまでに完成した楽曲の中で、特に印象に残っている楽曲はどの曲ですか?
明智光秀、織田信長、それぞれの武将たちの生い立ちや心の葛藤、その感情の土台を作ったであろうトラウマ体験など、様々な心のきびを感じながら、今回の音楽表現をさせて頂きました。すべて印象にのこっている曲ばかりですが、その中でも、何曲もの劇中歌を含め、印象に残っている曲は、こちらの5曲です。

● 「麒麟紀行Ⅰ」
その中でも、印象に残っているのは、「麒麟紀行Ⅰ」です。番組終わりのドラマ紀行で、最初の3ヶ月、毎週、皆さまにお聞き頂いたかと思いますが「ア~」で歌う「ボカリーズ」というものです。戦国時代で心が荒れ果てた武士たちの気持ちを、少しでも声で温め、包みたいという想いを、歌詞がない分、声の音色と息遣いの表現に焦点を向け、想いを籠めて歌いました。

●「美濃 ~母なる大地~」
そして、この紀行の曲に、歌詞を書いて歌った「美濃 ~母なる大地~」。光秀の故郷をイメージし、母なら大事な息子にどのように声をかけるのか、そんなことをイメージしながら作詞をしました。

●「燐光」
また、大河ドラマのサウンドドラックvol.2に収録されている、大好きだった「燐光」という曲。もの悲しいような、ほたるの光りような、はかないけれど、その中にも意思のある光を感じたこの曲。はかなく、せつなく、生きづらい世の中でも、それでも大切なものは、何も変わらないということを表現したく、コーラスの2声のラインは、ビブラート一切なしで、ぴったりと倍音を保って歌いました。この戦国時代にも、現代にも、何か力強さを心に残してくれる、切なくて美しくて、大好きな曲です。

●「旅へ」
その当時の市や、堺の町など、人々が物を買い、食材を買って、生活をしていた場所を、生き生きとコミカルに歌った曲。日本人ではないジョンの想像力の深さにも驚かされるメロディで、いつもと違って少し小節を回して歌ったほうが面白いのではないかとアイディアを出しながら現場で音色を決めていった、とても楽しい曲でした。

●「悠久の灯」(英語歌詞バージョン、ヴォカリーズバージョン 2/3:ソニーミュージックより先行配信)
光秀の妻:煕子が、光秀の腕の中でそっと息を引き取るシーンに、ヴォカリーズの歌(「ハア〜など言葉はなしで表現される歌)が流れました。もの悲しさの中に、紛れもない意思の強さと、希望を感じた曲でした。志を持っていても、志なかばで亡くなることや、できなくなることがあると思います。身体がなくなり消え果てたとしても、魂や想いは消えずまた次への時代へと輪廻していく。

そんな希望、光を感じながら、歌いました。

 

ー 完成⼤河ドラマはまだ続きますが、どのように聞いてほしいと思っていますか?

戦国時代、平和を求めて必死に生き抜いた人々が描かれていますが、今のこのコロナ禍の状況は、同じように、大切な人・モノを守るために懸命に生き抜く人々がいて、時代は違えど、重なるところがあります。

これはわたしの主観ですが、歴史上あったことを土台として、このドラマは、忘れてはいけない大切なことを、毎回強く感じさせてくれます。「大切な人を守りたい」という想い、そして、「平穏な時が訪れることを願い、今が辛くても、よくなる先を見つめ、踏ん張る強さ」は、わたしたちの魂に、今、この時代を生き抜く強さ、誉、誇りを、わたしたちに教えて下さっていると思います。

戦国時代に生きた人々が、命の境目で生きながら、大切に育んだ愛、自分への誇りや正直さ、勇気・・・それらを共に表現する音楽についても、その世界観を味わいながら、お聞き頂けたら幸いに思っております!

 

メッセージ

今回、大河ドラマ『麒麟がくる』に参加させて頂いたことにより、先人たちの想いに触れ、自分の人生を振り返りながら音楽人として携わらせて頂きました。振り返ってみると、幼い頃、おじいちゃんと一緒に、大河ドラマや時代劇を見て育ったこともあり、命の尊さや、平和への想いを強く持って生きてきました。

罪のない人が、突然亡くならなければならない戦国時代や戦争が歴史上にあった事実を知り、現代でも、そんな悲しみが無くなる「優しい世界」を作りたい、完璧ではなくともその一助となることをしたい、そう5歳の時に思い立ちました。

それを叶えるにはどうしたらいいか模索をしている中で、音楽に出会い、歌うことが大好きであるのと同時に、音楽は、言葉や国境を越え、一瞬で人と人の心を結ぶ「魔法」のような力を持つと実感したのです。これまで行ってきた音楽活動は、人と人を笑顔でつなげたい、そういったシンプルな「争いのない、平和への願い」から始まったものでした。

『麒麟がくる』は、世の中を平和に、たいらかにすることができた者のもとに、伝説の麒麟がくるという群像劇。

光秀の「平和への強い想い」と、自身が目指してきた想いとが重なる部分も多々あり、歌手としてこの作品に参加したことで、今までの活動がひとつにつながった気がしました。『麒麟がくる』では、生と死の狭間で「誇り」を持って生き続けた人々がいて、現代でも忘れてはならない、志に添って生きるとは何かを教えてくれていると感じます。

時代は違えど様々な終わらない戦いがあるように、コロナ禍の中、生まれてしまうマイナスな感情を、少しでも軽くして、元気にして、笑顔に変えたい・・・
そのために、これからも芸術という種を毎日巻き続けたい、そう思います。
人が笑顔になり、心に平和が訪れた時、「麒麟がやってくる」
芸術にふれ、多くの人の心がたいらかになる時、わたしたちの心のもとにも、麒麟が現れる。
これからも、笑顔と平和のため、「音楽」を届けていきたいと思っています。

音楽プロデューサー
備耕庸氏へのインタビュー

ー ⼤河楽曲制作をジョン・グラム⽒とされているなかで、特に意識されたことはなんですか?

ジョン・グラムが作曲作業を開始する前のコンセプト作りのプロセスです。
この作品のために120曲以上が作曲されましたが、いずれの曲も長い時間をかけて綿密にコンセプトを哲学的が練りこんでおります。今作品の音楽は、メインテーマをはじめ、多くの楽曲は映像がない状態で作曲されたものです。そのため、各曲のコンセプト作りには、ジョンの中で情景や人物に対する迷いが一切ない状態で向き合えることがとても大事でした。戦国時代の歴史的背景のティール、人々の生活の様子、『麒麟がくる』で描かれる人物像の詳細など、情報を精査して資料を作りこみました。

 

ー 堀澤さんの起⽤についてどのような経緯だったのですか?

二人は「キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV」でコラボレーションをしており、ジョンは麻衣子さんのボカリーズ唱法の感情表現を大変気に入っておりました。『麒麟がくる』の叙事的な音楽において、麻衣子さんの声はピッタリと感じており、今回のコラボレーションが実現しました。

 

ー ⼤河楽曲の中で、堀澤さんの声の存在はどのように考えていらっしゃいますか?

麻衣子さんに歌唱して頂いた曲の多くは深い叙事的な曲が多く、言葉にならない感情や情景をボカリーズ唱法表現して頂きました。「美濃〜母なる大地〜」「燐光」など、いずれも麻衣子さんならではの包み込むように楽曲の世界観を象徴した表現があり大変素晴らしいです。

 

ー まだ制作を続けてらっしゃるなかですが、ドラマもクライマックスに向けて次々と展開されているなかで、今後⾳楽で特に注⽬してほしいところはどんなところですか?

加速する後半の物語に沿って、ドラマチックな新曲達が続々と完成しております。そして、物語のクライマックスに向けて新たな劇中歌も完成しました。どうぞお楽しみに!

関連情報掲出一覧

音楽ナタリーによる掲載記事、堀澤麻衣子と『麒麟がくる』の音楽プロデューサーである備耕庸のインタビュー。今回先行配信となった劇中歌「悠久の灯」にまつわるエピソードなど掲載中。
堀澤麻衣子がフィーチャーされた、大河ドラマ『麒麟がくる』劇中歌「悠久の灯」2月3日先行配信。
2月24日にオリジナルサウンドトラックの”完全盤”と”The Best”を同時リリース。

リリース情報

2020年01⽉29⽇発売
オリジナル・サウンドトラック Vol.1

<ヴォーカル参加3曲収録>

06 旅へ Journey
18 美濃 ~母なる大地~ Peaceful Mino
26 麒麟紀行 I feat. 堀澤 麻衣子 Kirin Kiko I feat. Maiko Horisawa

https://www.sonymusic.co.jp/artist/SoundTrackInt/discography/SICX-30083

2020年09⽉02⽇発売
オリジナル・サウンドトラック Vol.2

<ヴォーカル参加2曲収録>

08 美濃の里 II Peaceful Mino II
14 燐光 Soul of the Firefly

http://www.sonymusic.co.jp/artist/SoundTrackInt/discography/SICX-30087

2020年12⽉23⽇発売
オリジナル・サウンドトラック Vol.3

<ヴォーカル参加1曲収録>

11 曙光 Descended from the Sun

https://www.sonymusic.co.jp/artist/SoundTrackInt/discography/SICX-30089

2021年2⽉24⽇発売
オリジナル・サウンドトラック The Best

<ヴォーカル参加2曲収録>

13  悠久の灯 feat. 堀澤 麻衣子 When It’s Gone feat. Maiko Horisawa
15  麒麟紀行 I feat. 堀澤 麻衣子   Kirin Kiko I feat. Maiko Horisawa

https://www.sonymusic.co.jp/artist/SoundTrackInt/discography/SICX-10010

2021年2⽉24⽇発売
オリジナル・サウンドトラック 完全盤

<ヴォーカル参加10曲収録>

1-06 旅へ Journey
1-18 美濃~母なる大地~ Peaceful Mino
1-26 麒麟紀行 I feat. 堀澤 麻衣子 Kirin Kiko I feat. Maiko Horisawa
2-05 思索 Thoughtful
2-14 燐光 Soul of the Firefly
3-11 曙光 Descended from the Sun
4-02 美濃の里 (ヴォカリーズ Ver.) Mino, My Home (Vocalise Version)
4-08 揺るぎのないもの IV~追憶~ Iron Willed Mitsuhide IV – Missing Family
4-15 悠久の灯 (ヴォカリーズ Ver.) When It’s Gone (Vocalise Version)
5-16 悠久の灯 feat. 堀澤 麻衣子 When It’s Gone feat. Maiko Horisawa

https://www.sonymusic.co.jp/artist/SoundTrackInt/discography/SICX-3009

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