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平和を祈るオーケストラコンサート出演レポート

11/1(土)〜2(日)、長崎・大村市にて、戦後80年の平和を祈るオーケストラコンサートに出演させていただきました。

「響け!大村賛歌~祈りと水の旅人~」と題されたこのコンサートは、「ながさきピース文化祭2025」という平和や命をテーマにし、伝統文化や現代アート、音楽、演劇、文学などを披露し伝えていくイベントの一環として行われました。

11月2日に開催されたのも、長崎に原爆が落ちたのが、11時2分だったから。

忘れてはいけない記憶を、演奏する側もそれを受け取る観客側も胸に刻むため、そして長崎の土地自体にも残すため、、、、長崎の方々は、並々ならぬ平和への想いで、このコンサートの開催に至ったことでしょう。

「今年は長崎の平和のために、ミチルさんと一緒に平和のコンサートをご一緒したい!」と思っていたのですが、それがこのコンサートで叶いました。

出演のきっかけは、長崎県出身の世界的作曲家 大島ミチルさんとのご縁でした。

大島ミチルさんは数々の映画やドラマの音楽制作で活躍されており、今年担当されたNHK Eテレのアニメ「アン・シャーリー」で、わたくしは劇中歌を歌わせていただきました。

ミチルさんにお聞きしたことがあります。「ミチルさんの音楽の真ん中にあるものは何ですか?」
するとまっすぐに「世界平和よ」と仰いました。

ああ、ミチルさんも音楽で世界平和を目指している方なんだ…!
恐れ多くも同志にお会いできた喜びに胸が熱くなったことを覚えています。

今年は原爆から80年という節目の年。
わたくしは「長崎の地を音楽で癒したい」と強く思っていました。

コンサートでミチルさんの楽曲が歌われるということで、ミチルさんからお声がけいただき、この度「光の柱合唱団」として、合唱サロンの生徒さんたちと一緒に参加させていただくことになったのです。

今回のコンサートで歌った合唱曲は、大島ミチルさんが大村のために書き下ろしたオリジナル曲「大村賛歌」。

大村出身の詩人 高塚かず子さんの詩にミチルさんが曲を付けた、4編からなる壮大な合唱組曲です。1曲1曲がまるで短編小説のように、大村の温かく美しい情景が紡がれています。

大村を拠点に活動されているプロのオーケストラと、地元の合唱グループの方々との共演で「オーケストラの演奏で歌う」という貴重な体験でもありました。

前日に、会場で全体のリハーサルが行われました。
地元の合唱団の方たちと初顔合わせ。主催者の村嶋さんから「県外からも参加してくれました!」とご紹介をいただき、温かく歓迎していただきました。

いよいよリハーサル開始。ミチルさん自らが指揮をされ、オーケストラの演奏が始まった瞬間、鳥肌が立つほどの感動に包まれ、思わず涙が..!

練習の間、ずっとワクワクしながらこの瞬間をイメージしていました。わたくしをはじめ、合唱サロンメンバーも感動しっぱなしでした。

夜は、ミチルさんも交えての懇親会。

長崎牛の美味しい料理をいただきながら、世界で活躍されているミチルさんならではのお話がもう楽しくて!世界で活躍している日本人はたくさんいらっしゃいます。パワーあふれる魅力的な方々のエピソードの数々。とてもエキサイティングでした!

さていよいよ本番の日。
わたくしたちが出演する「大村賛歌」はコンサートの第2部でした。
1曲ずつ詩の朗読(手話通訳付き)があり、演奏へと続きます。
まるで映画を観ているような臨場感あふれる空間でした。
そしてラストの「大村湾」は疾走感のある雄大な曲です。
最後のシーンでは夕日が大村湾を美しく染める様子を歌い上げます。

クレッシェンドでどこまでもどこまでも広がっていく…! 舞台に立つ一人ひとりが生きている喜びを感じ、平和への祈りを込めて1つになった感動のフィナーレでした。

当日帰るメンバーを見送って、その後はオーケストラの方々との打ち上げにご招待いただきました。さらにその後、今回のコンサートの主催者である村嶋寿深子さんのお宅にもお邪魔させていただくことに。
ミチルさんが敬愛するという、愛とパワーにあふれた方で、長崎で活動するプロオーケストラNOCEの舞台監督でもいらっしゃいます。
普段からオーケストラのメンバーや舞台関係者が集うという、ピアノや本が並ぶサロンのような居間で、たくさんの興味深い話をきかせていただきました。
村嶋さんは若いころ日本を飛び出し、ブロードウェイで長く舞台女優として活躍されていて、「王様と私」でユル・ブリンナーと共演したこともあるそうです。
美味しいワインと音楽談義で盛り上がり、やがて会はおひらきに。バイオリニストの方が「蛍の光」を弾いてお見送りしてくださいました。何とも粋なお見送り!

こうして夢のような長崎・大村での夜は更けていったのでした。

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